皆さん、カンジダ菌をご存知でしょうか。ほとんどの人間に存在する常在菌で、普段は静かにしてますが何らかの原因で体に悪影響を及ぼす可能性があります。
口の中に苔のような白いものができたら、それはカンジダ菌によって引き起こされた口腔カンジダ症かもしれません。
今回はカンジダ菌が口の中で悪影響を与える場合、どの様な症状がでるのか、又、治療方法について解説していきたいと思います。
カンジダ菌が増殖して現れる症状(口腔カンジダ症)は様々です。まず、口の中がヒリヒリします。人によっては食べ物や飲み物がしみたりすることもあります。又、味覚が変化することもあり、味を感じにくくなったり、苦みや辛味を強く感じたりすることもあります。
次に口腔カンジダ症を引き起こす原因を挙げていきます。
① 口の中の不衛生
歯磨きをしないことも原因の一つですが、大きな原因となるのは入れ歯をしっかり洗わないことです。入れ歯は洗わないと、細菌が繫殖していき口腔カンジダ症を初めとする細菌感染症の原因となります。面倒でも毎日あらうようにしましょう。
② 糖尿病
糖尿病発症者は免疫力が低下しやすくなります。その為、カンジダ症を発症しやすくなります。
③ AIDS
HIVウイルスに感染することで発症するAIDSは免疫不全を引き起こす病気です。口腔カンジダ症を初め、細菌性ウイルス性の感染症に罹患しやすくなります。
④ ステロイド治療
ステロイドの副作用の一つに免疫力の低下があげられます。長期間ステロイドによる治療を受けている人は口腔カンジダ症を発症しやすくなります。
⑤ 抗生物質治療
通常、口腔内に存在する菌は一定の割合を保ってバランスを取っています。しかし抗生物質による治療を長期間うけていると、菌のバランスが壊れて特定の菌が過剰に繫殖してしまう事があります。
それではカンジダ症が発症した場合の対処法について述べていきたいと思います。
口腔カンジダ症の治療には抗真菌薬を使用します。それと共に口腔ケアを行います。すると一週間程で症状が改善されてきます。口の中に苔のようなものができたからといって歯磨きを丁寧にするなどのケアをしても抗真菌薬の服用をしなければ効果がほとんどありません。口の中を清潔に保つことは勿論、重要ですが口腔カンジダ症をしっかり治すために口の中の異変に気付いたら歯科医院で診察を受けるようにしましょう。
しただ歯科 笹川弘康