皆さん、こんにちは。今回は文字通り、歯の数が通常より多い場合の対処方法について述べていきたいと思います。
普通歯の数は乳歯が20本、永久歯が32本(親知らず4本含む)となっております。これ以上歯が多く生えている場合は過剰歯です。
上の前歯の真ん中付近や、親知らずと奥歯の間に過剰歯はできやすいです。遺伝などが原因と考えられていますが、詳しい理由はわかっていません。
次に過剰歯による影響について説明します。
① 永久歯が上手く生えてこない可能性がある
通常、乳歯が抜けた後、約3か月で永久歯が真っ直ぐ出てきます。しかし、過剰歯が永久歯の生える場所にあると邪魔をして上手く生えません。
② 歯並びが悪くなる
過剰歯で永久歯が圧迫されて歯並びがデコボコになる可能性があります。
③ 歯と歯の間に隙間ができやすい
例えば過剰歯が上の前歯の間にできるとつっかえ棒のようになって前歯の隙間が広がってしまいます。その結果、すきっ歯の原因になります。
④ 永久歯の根を溶かしてしまうことがある
歯茎の中にある過剰歯が骨の中で成長すると、永久歯の根を溶かしてしまうことがあります。
⑤ 神経を圧迫して痛む事がある
埋まっている過剰歯が歯の神経を圧迫して痛む事があります。発見が遅ければ健康な良い歯の神経を除去し虫歯でないのに治療を行わなければならないこともあります。
⑥ 嚢胞ができてしまうことがある
嚢胞とは膿が液状に溜まって袋状になっている状態のことです。埋まっている過剰歯の周りに嚢胞ができやすいです。
次に過剰歯の治療法について説明します。
① 抜歯
抜歯して過剰歯を取り除きます。
② 埋まっている場合は歯茎を切開して抜歯
歯茎の中に埋まっている場合は歯茎を切開して抜歯を行います。
③ 他の歯に影響が出ない場合は経過観察
歯茎の内側や骨の深い部分に埋まっている場合、他の歯に影響が出ない場合もあります。その様な場合、経過観察を行います。
最後にまとめになります。
過剰歯は歯の生え方に影響が出る場合が多く、しっかりと治療を進める必要があります。お子さんに過剰歯がある場合は永久歯の歯並びが悪くならないように早めに治療しましょう。
歯茎の中に埋まっている場合はレントゲンを撮らないと発見できません。
歯科医院へ定期検診へ行き、口の中の状況を確認しておきましょう。
しただ歯科 笹川弘康