真冬本番、最近、唇が荒れて来られる患者様が多くなってきました。今回は唇がひび割れて痛い口角炎の原因と治療法についてご紹介します。
口角炎とは皮膚が
⑴カサカサする
⑵赤くなる
⑶腫れる
⑷かゆくなる
⑸ひび割れる
といった炎症が唇の両端(口角)に起こる症状です。口内炎、ヘルペスなどと並びよく見られる皮膚の病気です。
炎症により、唇の端に小さな傷(ひび割れ)が発生します。傷は小さくても、口を開くたびに亀裂が広がり、やがて出血して強い痛みを感じます。その為、口を開くのが億劫になり、楽しいはずの会話や食事が辛く我慢の時間に変わってしまうことになります。
口角炎は唇の両端、あるいは片側に紅斑と呼ばれる皮膚の赤みや腫れが生じる皮膚の炎症です。炎症が起きることで皮膚が荒れ、表面にある角質がカサカサになって剝がれ落ちる鱗屑と呼ばれる症状が見られます。
口角はもともと皮膚が薄い為、僅かな刺激でも荒れやすい性質を持っています。その為、会話や食事のたびに口を開くと、口角の荒れた皮膚にやがて亀裂が生じます。しょっぱいもの、辛い物など刺激が強い味覚が亀裂に触れると激しい痛みに襲われます。ひび割れの亀裂からは出血が見られやがて、かさぶたが作られます。
ところが口角にできたかさぶたは薄い為、少しの刺激でも剝がれてしまうことが頻繫に起こります。食事で大きな口を開ける、会話で大笑いをする、などの日常生活でもかさぶたに、また、ひび割れが起こり再び出血が起こります。つまりひび割れとかさぶたを繰り返してなかなか完治しないのが口角炎の特徴です。
口角炎の原因は
⑴唾液の消化酵素
⑵カンジダ菌
⑶ビタミン不足
⑷胃の不調
の四つが挙げられます。一般的に疲労、ストレス、睡眠不足が口角炎を作るという考えもありますが、これらは口角炎の原因というよりは免疫力の低下に繋がります。免疫力が低下した体に先に挙げた四つの原因が重なることで口角炎が発症するとみてよいでしょう。
唾液は元々刺激の強い消化酵素です。乾燥などによって荒れた状態の皮膚に唾液が付着することで角質のバリアが破壊される唾液かぶれが発症し、口角炎が起こりやすくなります。一方、カンジダ菌は普段から人の体に住み着く常在菌の一つです。健康であれば問題は起きませんが、体力や免疫力が低下している状態では菌が繫殖して口角炎が発生しやすくなります。
症状が軽度であればワセリンなどで患部を保湿して様子を見ます。原因や症状に合わせて抗真菌薬、ステロイド剤、ビタミン製剤などを使った投薬を行います。
完治するまで口角を指や舌で触れないように注意しましょう。又、症状が長引かないように睡眠を十分にとり、サケ、マス、マグロなどの魚類、豚や鶏のレバー、卵、バナナ、牛乳、ごま、大豆などビタミンB類を意識したバランスのとれた食生活を心がけましょう。
しただ歯科 笹川弘康