歯茎の変色

歯茎の色はいろいろな理由で変色する事があります。口元の審美性を大きく左右する部分だけに、黒や茶色に変色した歯茎を何とかしたいと悩まれているかたも少なくありません。

今回はそんな歯茎の色が変わってしまっている原因と対処法について分かり易く解説していきます。

歯茎の変色は以下の4つが原因と考えられます。

①　メラニン色素の沈着

歯茎が黒や茶色に変色する主な原因は、メラニン色素の沈着です。これは歯茎が色々な刺激にさらされることで生じるもので、加齢による変化の一つとも言えます。

②　メタルタトゥー

金属製の詰め物やかぶせものを装着していると、金属イオンが溶出して歯茎に沈着する事があります。その結果生じるのがメタルタトゥーです。銀歯から溶け出した金属イオンは、金属アレルギーの原因にもなるので要注意です。

③　喫煙

たばこの煙には歯茎の血流を障害するニコチンやタールなどが含まれています。これらが作用することで、歯茎を赤黒く変色させます。そうした歯茎の黒ずみは、受動喫煙でも生じる事があります。

④　歯周病

歯周病の初期症状は歯茎の腫れです。細菌感染によって歯茎が赤く腫れあがるのですが、進行するにつれ、徐々に歯茎が黒ずんで見えるようになります。これは歯周病によって歯茎が破壊された証拠です。

それでは歯茎の変色の対処はどの様にしたら良いのでしょうか。

①　メラニン除去

加齢によって沈着したメラニン色素は、医療用レーザーで取り除く事が出来ます。歯茎にレーザーを照射することで、メラニン色素が沈着した組織が破壊されます。その後、新しい歯茎の組織が再生され、本来のピンク色に戻すことが可能です。

②　ガムピーリング

ガムピーリングも歯茎に沈着したメラニン色素を取り除く治療法です。歯茎に薬剤を塗布して、新しい組織に生まれ変わらせる方法です。

③　金属の詰め物、被せものを除去

金属の詰め物、被せものが原因で歯茎が黒く変色しているのであれば、セラミックなどの安全な材料に取り換えましょう。

④　禁煙

喫煙が原因で歯茎が黒ずんでいる場合、最も推奨されるのが禁煙ですが、それが難しいのであれば減煙しましょう。喫煙は歯茎を黒く変色させるだけでなく、歯周病のリスクも著しく上昇させます。

⑤　歯周病の治療

歯周病が原因の歯茎の着色は歯周病を治すことで改善されます。歯周病は自然には治らない病気なので、その症状に気付いたらすぐに歯科へ受診しましょう。歯茎が黒ずむような段階まで進行すると、なかなか元に戻せなくなります。歯周病は早期発見、早期治療が何より重要です。

〈まとめ〉

この様に、歯茎が黒く変色する原因は、メラニン色素の沈着やメタルタトゥー、歯周病などです。特にメタルタトゥーや歯周病は単に見た目が悪くなるだけではなく、お口の健康を害することにもなる為、早急に対処した方が良いと言えます。そんな歯茎の黒や茶色の変色にお困りならいつでも当院までご連絡ください。

しただ歯科　笹川弘康