
① 開咬とは
歯をかみ合わせたときに奥歯はかみあっていても前歯がかみ合わない、又は前歯がかみ合っていて奥歯がかみ合わないという状態です。通常は前歯がかみ合わない前歯部開咬を言います。
② 開咬の原因
⑴ 舌の癖
舌を歯にあてたり、舌を突き出すという癖を長い時間続けると、開咬になることがあります。
⑵ 口呼吸
成長期に鼻炎、蓄膿症、アデノイド、扁桃腺肥大などで口呼吸を長く続けていると開咬になりやすいです。
⑶ 指しゃぶり
永久歯になっても指しゃぶりを長い間続けていると開咬になりやすいです。
⑷ 下顎の垂直方向への成長不足
リウマチや顎関節症などで下顎頭部の骨形成が障害されると歯に問題がなくても、開咬になることがあります。
⑸ 歯が並ぶスペースの不足
下顎骨内で親知らずの形成が進んでくる16,17歳に親知らずの萌出方向への力によって親知らずの前の歯が押し出されると開咬になってしまうことがあります。
③ 開咬が引き起こす問題
⑴ 嚙み切れない
麵類などを前歯でかみ切ることが出来ず、食べにくい状態です。しかし、元々開咬であった場合は本人が気づきません。
⑵ 口が閉じにくい
唇が閉じられないことにより、口呼吸になりやすく、また、風邪や歯周病にもなりやすいようです。
⑶ 奥歯の負担が大きい
奥歯しかかみ合っていない為、奥歯に負担がかかりやすく、歯の詰め物や被せものが壊れやすくなってしまいます。又、歯を支える歯槽骨が破壊され、奥歯がグラグラになる原因になることがあります。その為に歯周病と間違えられることもあります。
⑷ 発音障害
サ行、タ行の発音がしにくく、滑舌が悪い印象になりやすいようです。
④ 開咬の治療法
⑴ 矯正
開咬を治すのに最も有効な治療法は矯正です。奥歯を削って開咬が改善することはありません。奥歯を削れば削るほど、開咬は悪化してしまいます。上下の歯にブラケットを付けて矯正します。外科手術を併用した矯正も行われていますが、手術には多くのリスクを伴いますので注意が必要です。
⑵ 抜歯
開咬の症状に加えて、歯がガタガタな場合、通常、第一小臼歯を抜歯することが多いようです。しかし、そういう場合、親知らずが出来てくる16,17歳頃に、その親知らずまで抜くことになることが多く、トータルで8本の歯を抜くことになりかねません。抜歯をしたくない場合は、抜かない矯正をしている矯正歯科に相談してみてください。開咬の治療では親知らず以外は非抜歯で治療することが多いのです。
⑶ 舌と口の周りの筋肉のトレーニング
舌癖が先で開咬になったのか、あるいは開咬だったから、舌癖するようになってしまったのかははっきりしませんが、矯正治療と共に舌のトレーニングが必要です。舌のトレーニングが完了していないと、一度は開咬が治っても、再発してしまう事があります。
⑤ まとめ
開咬の矯正治療は難しいものとされています。それは、舌癖が関与しているからです。矯正装置を付けただけではダメなのです。矯正装置と同時に舌のトレーニングをしなければなりません。又、扁桃肥大や鼻炎などの症状がある場合は舌は前へ出ざるを得ないわけです。鼻、のどの病気も耳鼻科と相談して対処することが必要です。開咬は自分で気づかずに過ごしてしまいがちですが、開咬を治せば、4つの問題が改善され、生活の向上が期待できますので、治すことをお勧めします。
しただ歯科 笹川弘康